しばらく更新が途絶えていました。
ぼちぼち再開していきます。
ビールに関してお店や製品に関する情報や楽しみ方に関する記事が昨今増えてきています。
しかしながら、ビールそのものに関する科学的な知見については日本語でまとまった情報が少ないため、調べたり学んできたことを少しずつアウトプットしていきたいと思います。
今回は「ホップの成分」について。
収穫したてのホップの毱花は水分が多いため、収穫後すぐに乾燥させて水分量を10%前後まで落とすことで、腐敗による劣化を防ぎます。
品種により差がありますが、乾燥ホップの成分比率は図のような割合になります。
黄色い樹脂はルプリンと呼ばれ、ホップの毱花にあるルプリン腺で生成されます。この中にはビールの苦味のもとになる物質が含まれています。
樹脂成分の硬さにより、軟質樹脂(ソフトレジン)と硬質樹脂(ハードレジン)に二分され、軟質樹脂は乾燥ホップの10〜25%、硬質樹脂は3〜5%を占めます。
苦味に寄与するα酸やβ酸は軟質樹脂に分類されます。
α酸にはフムロン、イソフムロン、アドフムロンがあり、微量ですがポストフムロンやプレフムロンが含まれます。
β酸にも同様にルプロン、イソルプロン、アドルプロン、ポストルプロンやプレルプロンが存在します。
これらがビールを造る過程において苦味を感じる物質に変化していきます。
また、硬質樹脂のなかには近年注目を集めているキサントフモールが存在し、その機能性着目した研究が進められています。
毱花の中でも1%前後と微量なのですが、ビールの香りや味わいに大きく寄与するのが精油(エッセンシャルオイル)です。ホップの品種によって成分や含有量が異なります。
今後それぞれについて、詳しく書いていきたいと思います。
ほかに苦味の中でも渋味として感じられるタンニンなどのポリフェノールがあり、残りの八割は水分、たんぱく質、アミノ酸、脂質、無機物(灰分)、単糖類、そして細胞壁の構成成分であるペクチン、植物繊維や細胞壁の主成分であるセルロースとリグニンなど植物性の物質で構成されています。