ホップの品種

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前回は植物としてのホップについて書きました。

今回は「品種」について書いてみたいと思います。

近年、ザーツやハラタウ、カスケードなど、ホップの品種名を目にする機会が多くなったと思います。

ホップの使用目的から大きくわけると、香りを活かしたアロマホップと、苦味を活かしたビタリングホップの二つに分類できます。

もちろん、どちらの目的としても使うことができますが、苦味をつけるためには苦味の元となるα酸の含有量が多いホップを使用したほうが、使う量も少なくてすみます。

ホップは日射量が十分に確保できる冷涼な地域で栽培されています。そのため、赤道を境として緯度35度〜55度に位置する地域が栽培に適した地域になります。

ホップ生産者の国際協議会である International Hop Growers’ Convention(IHGC)によると、各国で品種登録され栽培されているホップは以下の通りとなります。

ホップの品種

ホップの品種

 icon-link Certification of hops and hop products – List of world hop varieties of the International Hop Growers’ Convention (IHGC) 2015(pdf)

クラフトビール人気の高まりとともに新種のホップ開発が進んでおり、毎年新しい品種が登場してきています。

ホップの品種は、交配によって生まれます。

Cascade

アメリカンホップの定番であるカスケード(Cascade)ホップはアメリカ合衆国農務省農業研究局(USDA ARS)によるホップの品種改良プログラムにより誕生したホップです。

ロシアのアロマホップであるセレブリアンカ(Serebrianka)の雌株とイギリスのアロマホップであるファグル(Fuggle)の雄株から生まれた苗木に、ファグルの雄株を自然受粉(Open pollinated)により交配した種子(USDA 19124)を1955年に採取し、翌1956年にオレゴン州立大学(Oregon State University; OSU)のS.N.Brooks博士が苗木から選抜した種子(USDA 56013)です。1968年より商業栽培に向けたテスト栽培が始まり、1972年1月3日にカスケード(Cascade)と名付け一般にリリースされました。
最初のものはホップウイルスに感染しやすかったため、成長点培養(茎頂培養)や熱処理によって細胞内にある寄生病原のクリーンナップを行い、ウイルス耐性のある種(USDA 21092)をつくりました。

 icon-link Cascade (56013)
 icon-link Cascade (21092)

USDA-ARS Hop Cultivar Pedigree

USDA-ARS Hop Cultivar Pedigree

 icon-link USDA-ARS Hop Cultivator Pedigree

今では世界中で育てられるようになったカスケードホップですが、育つ土壌や気候条件により毬花に含まれる成分が異なってきます。

 icon-link Cascade – a study in hop terroir

ホップにおいてもテロワール(terroir)を意識する必要があるのではないかと考えます。

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