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World Beer Cup 2016

2年に一度開催されるWorld Beer Cupの授賞式が先ほど開催されました。

アメリカを中心に世界55ヵ国から1907のブルワリーが参加し、6596種類のビールが審査されました。

日本国内からは41ブルワリー135種類のビールが審査され、9つのビールが受賞しました。
100種類以上審査しれている国のうち、6.67%が受賞するというのは国内ブルワリーが高レベルであることを示しています。

World Beer Cup 2016 Fact Sheet

受賞したビールは以下の通りです。

Category 9 Herb and Spice Beer (129 Entries)
金賞 シャトーカミヤ牛久ブルワリー 桜満開ラガー

Category 15 Session Beer (34 Entries)
銅賞 伊勢角屋麦酒 ゴールデンドラゴン

Category 18 Experimental Beer (86 Entries)
金賞 小西酒造 有馬ジャパンエール
銅賞 いわて蔵ビール オイスタースタウト

Category 29 Aged Beer (40 Entries)
金賞 那須高原ビール ナインテイルドフォックス

Category 32 Light Lager (45 Entries)
銀賞 アサヒビール ザ・ドリーム

Category 79 British-Style Imperial Stout (53 Entries)
金賞 デビルクラフト Arch Devil Imperial Stout

Category 83 Classic Irish-Style Dry Stout (42 Entries)
金賞 箕面ビール スタウト

Category 87 American-Style Strong Pale Ale (118 Entries)
銀賞 ヤッホーブルーイング IPA2016

おめでとうございます!

全96カテゴリーの受賞リストはこちら。
World Beer Cup 2016 Winners List (pdf)

WINNERS FROM AROUND THE GLOBE TAKE HONORS AT 2016 WORLD BEER CUP℠

α酸とβ酸の化学

ビールの苦味はイソα酸(iso alpha acids)というホップ由来の成分によるものなのですが、もちろんイソα酸だけではありません。

α酸とβ酸の化学変化について詳しくみていきましょう。

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日本におけるホップ栽培

日本でのホップ栽培の歴史は明治初期の北海道開拓とともに始まりました。

現在では大手ブルワリーは東北や北海道の農業協同組合と契約栽培を行っています。また、小規模ブルワリーではホップを自家栽培するところが出てきています。

日本におけるホップ栽培(2017) にアップデート記事を追加しています。

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ホップの品種

前回は植物としてのホップについて書きました。

今回は「品種」について書いてみたいと思います。

近年、ザーツやハラタウ、カスケードなど、ホップの品種名を目にする機会が多くなったと思います。

ホップの使用目的から大きくわけると、香りを活かしたアロマホップと、苦味を活かしたビタリングホップの二つに分類できます。

もちろん、どちらの目的としても使うことができますが、苦味をつけるためには苦味の元となるα酸の含有量が多いホップを使用したほうが、使う量も少なくてすみます。

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植物としてのホップ

植物としてのホップはアサ科(Cannabaceae)の植物で、歴史的にビールに使用されてきたホップは Humulus lupulus という学名で呼ばれる種に分類されています。

植物学の世界では、1859年に出版されたダーウィンの「種の起源」以降、植物の見た目や形態などの類似性をもとに理論的に植物の分類を整理してきました。
ドイツのエングラー(Adolf Engler)の学説を引き継いだ「新エングラー体系」や、クロンキスト(Arther Cronquist)が1988年に発表した「クロンキスト体系」といった20世紀における植物分類の大家によって構築された分類体系があります。

近年、遺伝子を分析する技術が確立され、DNAやRNAの塩基配列を解析することで実証的に植物の系統樹をつくるAPG(Angiosperm Phylogeny Group)=被子植物系統研究グループの「APG植物分類体系」に移行しつつあります。

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